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【教員の皆様へ】教育における生成AIの利用について

令和5年11月28

 

  教員の皆様へ

 

理事(教育担当)     

 

教育における生成AIの利用について

 

 昨今、ChatGPTをはじめとする生成AIの利用が爆発的に増えており、それが社会に及ぼす影響が議論されていますが、大学教育への影響も非常に大きいと考えられます。
 本学教員は、学生が自分で考え、能動的に学ぶことを促す必要があると考えます。そのため、学生が生成AIを安易に利用しないよう注意喚起を行う必要があり、まずは学生に向けた「学習における生成AIの利用について」をご理解いただき、指導の指針としてください。これに加え、教育における生成AIの利用に関する現段階での留意点を下記に示します。
 なお、教育のうち、研究(論文)指導については「研究活動における生成AIの利用について」に従うこととし、この教員向けガイドライン「教育における生成AIの利用について」は研究(論文)指導以外を対象とします。

 

 

1.生成AIに関する利用方針を明確に示す。
 授業の目的や内容、方法に応じて、生成AIの活用を認めるか、認めるならばどのような活用方法であれば認めるかを学生に明確に示してください。その際、生成AIの活用によって学生の学びがより促され、目標の達成に繋がるかについて根拠を持って判断してください。生成AIについて理解が深まっていない場合は、学生から相談を受けた際に曖昧に回答せず、当授業では使用を許可しない旨を説明してください。

2.学生が生成AIを利用している可能性を考慮する。
 1.の利用方針にそぐわない形で学生が生成AIを利用する可能性は常にあります。学生による剽窃(いわゆるコピー&ペースト等)と同様に、そうした問題状況を生じさせない課題設定や提出された課題の確認をお願いします。また、利用した場合には利用した箇所と生成AIの種類を明記させる、レポート等と小テストや口述試験を併用するなどの工夫についても検討をお願いします。

3.内容を検証する。
 生成AIは、教材作成等、目的に応じて利用が可能です。ただし、生成AIを利用した質問への回答の文章が正確であるとは限りません。信頼できる内容であるかどうか、必ず確認してください。虚偽の情報やバイアスがかかった内容の可能性があります。

4.知的財産権を守る。
 生成AIが作成した文章には他者の著作物が含まれている可能性があり、文章の利用者が著作権等の知的財産権を侵害する場合があります。生成AIが作成した文章を利用する場合には、利用者が入力した質問やキーワード及び生成AIの回答を記録し、参考資料として明示できるようにしてください。
 なお、著作物を引用する場合は規則に則って行い、他者の作品を複製する場合には必ず権利者の許可を得てください。特に入試等、重要な場面での安易な利用は控えてください。


5.情報流出に注意する。
 生成AIに入力した質問内容およびその回答は、AI自身や運営企業に利用される可能性があります。個人情報や機密情報、研究データ(実験結果、アンケート結果等)などを絶対に提供(入力)しないでください。なお、生成AIによっては、入力した内容を生成AIの学習データとして使用させないことも可能です。情報の入力の仕方に注意を払うようにしましょう。

6.積極的に情報を収集する
 教員自身が生成AIについて理解を深めることも非常に重要です。まずは自分で利用し、何が得意で何が苦手なのかといった特徴に触れてみてください。また、FD研修会への積極的な参加や教育方法に関する情報収集に努めてください。生成AIの教育利用については、まだ誰もが手探りで試している状況です。生成AIの利用方法とその結果や生じた懸念について教職員間で情報を共有し、より適切な使い方を見出していきましょう。