FD活動の紹介~平成27年度~
平成27年度の鹿児島大学のFD活動をご紹介いたします。
**【9月】 新任教員FD研修会「アクティブ・ラーニングの基本と活用術」を開催しました。**
鹿児島大学FD委員会では、新しく鹿児島大学に着任された教員を対象にした、新任教員FD研修会を開催しました。テーマは、「アクティブ・ラーニングの基本と活用術」です。
本学での教育活動を展開するにあたり、大学教育の質的転換に強く関わる「アクティブ・ラーニング(AL)」の教育手法について理解し、活用していくことを目的としました。今回は、アクティブ・ラーニングを取り入れた模擬授業を、参加者みずから学修者の立場になって体験してもらいました。
次に、体験した模擬授業とミニレクチャーの内容を踏まえ、グループごとにディスカッションを行い、アクティブ・ラーニングを実際に取り入れる際の問題点 や、学生をよりアクティブにさせるためのスキルについて議論しました。最後は、グループごとにプレゼンテーションを行い、情報を共有しました。
当日は27名の先生方にご参加いただきました。先生方、どうもありがとうございました。
【対 象】 平成26年 7月 2日~平成27年 7月 1日 の間に本学に採用された新任教員
【日 時】 平成27年 9月17日(木) 13:10~16:10
【場 所】 郡元キャンパス 学習交流プラザ 2階 学習交流ホール
【参加者】27名
【プログラム】
13:10 開会挨拶 清原 貞夫 (鹿児島大学理事、鹿児島大学FD委員会委員長)
13:20 ミニレクチャー 伊藤 奈賀子 (鹿児島大学教育センター高等教育研究開発部准教授)
「アクティブ・ラーニングを活用した教育方法と教員の役割」
13:50 模擬授業体験 寺床 勝也 (鹿児島大学教育センター高等教育研究開発部長)
「アクティブ・ラーニングを取り入れた『初年次セミナー』の模擬授業体験」
14:40 休憩
14:55 グループによるディスカッション
「こうすればもっとアクティブ? ~アクティブ・ラーニングを取り入れた授業における教員の役割~
15:35 プレゼンテーション
16:05 閉会・アンケート記入
16:10 解散
**【10月】 FD・SD合同フォーラム「カリキュラムの体系性の可視化に向けて」を開催しました**
鹿児島大学FD委員会は、大学地域コンソーシアム鹿児島 FD・SD 活動事業部会と共催で、平成27年度FD・SD 合同フォーラムを開催しました。
今回は、京都大学高等教育研究開発推進センターの山田 剛史 准教授をお招きし、「学生の学習成果を高めるためのカリキュラムの体系化とその可視化」と題して、なぜカリキュラムの体系化と可視化が必要なのか、高等教育改革をめぐる政策動向を含め、お話いただきました。
フォーラム後半では、「学生の能動的な学修を促すカリキュラムとは」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。志學館大学と鹿児島大学から3名の先生方をパネリストとし、それぞれの大学や所属学部が抱える問題や現状についてご報告いただいた後、参加者と意見交換を行いました。
「カリキュラム」という用語に対する解釈そのものがまだまだ参加者間で必ずしも一致されていないように見受けられる側面もあり、この課題について考える難しさも明らかになりました。
当日は晴天に恵まれ、鹿児島大学や県内外の多くの教職員の皆様にお集まりいただきました。
ご参加いただいた99名の皆様、どうもありがとうございました。
【日 時】 平成27年10月 3日(土) 13:00~16:30
【場 所】 鹿児島大学郡元キャンパス共通教育棟3号館2階 321号講義室
【招聘講師】 山田 剛史 氏 (京都大学高等教育研究開発推進センター 准教授)
【対 象】 鹿児島大学並びに大学地域コンソーシアム鹿児島参加機関の教職員
ポスターはこちら
【プログラム】
13:00 開会挨拶 清原 貞夫(鹿児島大学理事、鹿児島大学FD委員会委員長)
13:10 趣旨説明 有倉 巳幸(鹿児島大学学術研究院 法文教育学域教育学系教授、大学地域コンソーシアム鹿児島FD・SD 活動事業部会長)
13:20 基調講演 山田 剛史 (京都大学高等教育研究開発推進センター 准教授)
「学生の学習成果を高めるためのカリキュラムの体系化とその可視化」
14:30 休憩
14:40 パネルディスカッション 「学生の能動的な学修を促すカリキュラムとは」
パネリスト
・鈴木 雄清 (志學館大学人間関係学部 准教授)
・川畑 秋馬 (鹿児島大学学術研究院 理工学域工学系 教授)
・廣瀬 真琴 (鹿児島大学学術研究院 法文教育学域教育学系 准教授)
16:20 閉会挨拶 飯干 明 (鹿児島大学 教育センター長)
**【10月】 FD ガイド第10号 「離島における地域実習1」を発行しました**
FDガイド第10号では、「離島における地域実習」をテーマに、鹿児島大学で行われている地域実習を紹介しています。
多くの離島を抱える鹿児島県にある鹿児島大学は、離島独特のさまざまな問題を解決することが期待されており、産業、教育、医療等の多くの分野で離島における実習は重要な意味をもっています。
今回は、農学部と医学部における実習の実例をあげ、担当教員に目的やコツ、魅力等を伺いました。
FD ガイド第10号 「離島における地域実習1」はこちら
**【12月】 学生・教職員ワークショップ「授業アンケートをどう授業に活かすか」を開催しました。**
鹿児島大学FD委員会では、「授業アンケートをどう授業に活かすか」をテーマに、平成27年度学生・教職員ワークショップを開催しました。
今回のワークショップでは、鹿児島大学で行われている「授業評価アンケート」の活用について、現状と問題点を理解し、学生の意見を活かした授業改善を組織としてどう行っていくのかを具体化する方策を考えることを想定して開かれました。
清原貞夫FD委員会委員長の開会挨拶に続いて行われた、富原一哉FD委員による趣旨説明「授業評価アンケートの現状」では、アンケートは外的な要因から2004年以降、ほとんどの大学で実施されるようになっていることや、アンケートを多くの労力と経費をかけて実施するからには、授業改善に有効利用し、教職員・学生が共に幸せになれる方策を考えることが大事であることなどが述べられました。
【事例紹介:山形大学 小田 隆治教授の講演の様子】
事例紹介では、山形大学 地域教育文化学部より小田 隆治 教授をお招きし、「山形大学の授業改善アンケートの実践と再考」と題した講演を行っていただきました。山形大学で実際に行われているアンケートと、その利用についての紹介がなされた後、アンケートはあくまで授業改善のツールとしての利用に限定することが必須であること、実施に当たっては労力・経費の両面での費用対効果比も意識すること、また、集計と公表が重要であること、自助努力に帰着する個の取組と、同様にそれを支援する組織的な取組も必要であることが指摘されました。
ワークショップ後半では、参加者は5つの班に分かれ、グループ討議を行いました。各グループのテーマは、"1.授業改善に繋がる「授業評価アンケート制度」とは" と、"2.「授業評価アンケート」をどのように教育改善に利用するか" のうちどちらか一つです。
1のテーマについては、複数の班から、学期の中できちんとフィードバックを行うために、学期末よりも学期中間のアンケートが重要であるという意見が出されました。また2のテーマについて、教員は個々で授業改善を行っている場合が多いが、組織として高めるための全体的な仕組が整っていないため、組織で共有・対応ができるような環境が必要であるとの指摘がなされました。
【グループ討議の様子】
最後に、大和修FD委員から、全体のまとめとして、自身の授業アンケートへの回答の変遷と授業構成との関係とを例に、アンケートだけが授業評価ではないが、科学的分析に基づいて利用すれば授業改善に十分に役立つとの総括があり、授業改善への意欲を高めるきっかけとなりました。
当日は、学生10名、教員24名、職員6名、計40名の参加がありました。参加していただいた皆さん、どうもありがとうございました。
【対 象】 教育に関心のある学生、教育に関わっている全教職員
【日 時】 平成27年12月11日(金) 16:10~19:10
【場 所】 郡元キャンパス 学習交流プラザ 2階 学習交流ホール
【参加者】 40名
【プログラム】
16:10 開会挨拶 清原 貞夫 (鹿児島大学理事、鹿児島大学 FD委員会委員長)
16:15 趣旨説明 富原 一哉 (鹿児島大学 FD委員会委員) 「授業評価アンケートの現状」
16:25 事例紹介 小田 隆治 氏 (山形大学地域教育文化学部 教授) 「山形大学の授業改善アンケートの実践と再考」
17:00 休憩
17:10 グループ討議
説明: 大和 修(鹿児島大学 FD委員会委員)
18:30 発表
19:00 アンケート記入
19:05 まとめ
大和 修(鹿児島大学 FD委員会委員)
19:10 閉会
司会:松木 繁 (鹿児島大学 FD委員会委員)
記録:半田 利弘 (鹿児島大学 FD委員会委員)