トップページ学生インタビュー田村 昌也

  • 法文学部 法経社会学科
  • 田村 昌也 さん (山口県立下松高等学校)
  • 法律を用いて理論を構成していく、おもしろさ、楽しさ、をぜひ、皆さんにもこの感覚を味わってほしい。

Q.鹿児島大学の魅力は?

 私は法文学部の法学コースで法律を専門として学んでいるため、法文学部生として考える魅力が多くなりますが、まず法文学部として広く学ぶことができることが挙げられると思います。法文学部は、法経社会学科として、法学コース、地域社会コース、経済コースの3つのコースが、人文学科として多元地域文化コース、心理学コースの2コースがあり、合計で2学科5コースが1つの学部にまとまっています。これにより、法律学を専門にしながらも経済学や心理学、歴史学など様々な分野について勉強することができます。私も2年生の時に、歴史学や哲学、経済学の授業を受けたことがあります。これらの学問はそれぞれで完結することなく、関連している学問であると感じているので、様々な分野について広く学ぶことができるのは魅力の1つだと思います。また、これに関連して、法文学部には「法文アドバンスト科目」という科目群があり、自身が所属しているコースや学科のみならず、学部の垣根を超えて学ぶことができます。これに対して広く学ぶだけでなく、深く学ぶことができるというのも魅力であると考えています。自身が所属している学科やコースでは専門的な科目が多く開講されており、そこで自分が学びたいことについて深く学ぶことができます。また、学生が主体的に動く演習科目なども多く存在し、専門的に深く学ぶこともできます。私は法学コースで法律について学んでいるのですが、具体的に、弁護士となって事件の証拠を集めて裁判のシュミレーションを行う授業や刑事裁判について弁護士や検察官、裁判官の立場となって模擬裁判を行うという授業を受けたことがあります。


Q.大学生活で一番打ち込んでいることは?

 勉強です。私は将来法曹(裁判官、検察官、弁護士)になりたいと考えているので、法律の勉強に力を入れてきました。法曹になるためには、司法試験に合格することが必要でそのためには、憲法や民法、刑法など様々な法について勉強する必要があります。具体的には法律の条文について解釈が分かれている点についての理論を学んだり、実際に起こった事件について裁判所がどのような判断を下したかということを学んでいくことが基本となります。そして、具体的な問題について、法律的に理論を構成しどのように解決を図るかということを考えます。法律的に理論を構成していくという過程は、その条文の趣旨や他の条文との関係など様々なことについて思考を巡らせることができ、とても楽しいです。また、ゼミなどでたくさんの人と議論をすることで新たな発見や解決策を見つけることができ、夢中になることができます。
 法律の勉強以外でも、自分が興味を持ったことについては積極的に学ぶように心がけています。これまで大学では歴史学や哲学、経済学、生物学などの授業を受講してみたり、自ら文献を読むことで勉強してきました。大学生活は、自由な時間が多いからこそ、専門分野について深く学ぶだけでなく、様々な分野について広く学ぶことができるチャンスであると考えています。

Q.大学生活において、コロナ禍の影響を大きく受けたことは?

 私の場合は、入学した年がコロナウイルスが流行し始めた年だったので、あまり大きく影響を受けたと感じることは無いのですが、リモートで学習するという点が大きく影響を受けた点であったと思います。本来であれば一つの教室に集まって講義を受けるところが、私が入学した年は、すべての授業が遠隔となりネット会議システムを利用した授業でした。中でも体育の授業はなかなか集まって運動をするということができず、大きく影響を受けたのではないかと感じています。また、遠隔授業で一番影響を受けたと感じているのが、期末テストです。本来であれば法学系の期末テストは、その法分野の主要な論点や理論について、決められた時間内で、過去の裁判例や学説を用いて具体的な法律問題について解決策を導くという事例問題とよばれる形式が多いです。しかし、対面で集まってテストが行えないために、期末テストはレポート課題となることが多く、見たことのある主要な論点について解答する期末テストに対して、期末レポートでは、学んできたことを用いて複雑な問題について考えることが多かったです。そのために、講義で学んだことをベースにして様々な文献に当たって調査するということが必要になり、様々な考え方について検討したうえで、自身の考えを述べることで、成績評価がなされるという形でした。これによって複雑な問題について深く考えるということができ、良い意味でコロナ禍の影響を受けたことであると思います。
 また、このほかにも一人で過ごす時間が増えたということも大きな影響だと思います。一人の時間が増えたからこそ、人と過ごす時間が楽しく感じるようになりました。例として、私はサークルでバンドをしているのですが、一人の時間が増えたため、個人で練習する時間が増え、様々な技術を習得することができました。それによって人と音を合わせる時間が充実したものになりました。また勉強で言えば、一人の時間に様々な文献を読んだり、問題を解いたりすることで知識が増えたため、ほかの人と議論することができるようになりました。このように一人で過ごす時間が増えたということも大きな影響であったと思います。

Q.これまでの大学生活を通じて、自身の成長を感じたことや印象的な出来事があれば教えてください。

 以前は理解できなかった法理論が理解できた瞬間です。法律を学び始めると、法律の専門用語や法律学特有の考え方があり、理解できない点が多かったりするのですが、学習を続けているうちに理解できるようになっていきます。以前は理解に苦しんだ部分や理解しきれなかった分野が学習を進めていくうちに簡単に理解できる瞬間があり、その時が自身の成長を感じることができます。また、同じ法分野学び続けるということの他に、他の法分野を学んでいると理解できるようになることもあったりするのでその時も自身の成長を感じることができます。具体的な出来事としては、法科大学院の入試の際、法科大学院の先生との問答があったのですが、その時に自分が思っていたよりもスムーズに問答をすることができ、自身の成長を感じることができました。

Q.大学卒業後や将来の夢、目標は何ですか?

 私は、将来法曹を目指しており、弁護士になりたいと考えています。そのために、大学卒業後は法科大学院に進学し、司法試験の合格を目指していきたいと思います。目標としては、できるだけ上位の成績で司法試験に合格するということを目標として頑張っていきたいと思います。また、大学院では、学部で感じた法学の楽しさにしっかり浸かって、ただ司法試験のための勉強をするのではなく、学問として法学を積極的に学んできたいと考えています。

Q.鹿児島大学への入学を希望している高校生に向けてのメッセージや本学のPRをお願いします。

 鹿児島大学では、自分の学びたいことについてしっかり学ぶことができます。私は法律学を学んでいますが、鹿児島大学で学んだ3年間は、法律学について深く学ぶことができ、そのおもしろさや楽しさを感じています。具体的な例を挙げると、Aさんが帰宅途中にストーカーに襲われ、これを撃退するために持っていた傘を振り回したところ、相手に怪我をさせてしまったとします。このとき、Aさんは相手に怪我をさせてしまったので何か責任を負うべきなのでしょうか、しかし、Aさんは相手が襲ってきたのに対して自分の身を守るために傘を振り回したのであるからAさんに責任を負わせるのは酷な気がするかもしれません。こういった事例について法律を用いて理論を構成し事案の解決、救済を図ります。この法律を用いて理論を構成していくことが私が法律学について、おもしろい、楽しいと感じている部分でぜひ、皆さんにもこの感覚を味わってほしいと思います。このほかの分野でもそれぞれの面白さがあると思うので、皆さんも学問のそれぞれのおもしろさ、楽しさを見つけてもらえたらと思います。私も応援しています!