発達支援におけるチームアプローチ

発達障害のある子どもが地域で安心して成長するためには、「発達支援」という考え方が欠かせません。この支援では、子どもの自尊心や主体性を大切にしながら、生活の中で必要なスキルを学べる環境を整えることを目指します。特に幼児期においては、子どもへの支援だけでなく、保護者への支援も重要です。こうした支援を行う場のひとつが「児童発達支援」です。ここでは保育士や児童指導員、作業療法士など、さまざまな専門職が協力し合い、子どもと保護者を包括的に支えています。その中でも特に特徴的なのが、子どもの発達段階に応じて「遊び」を支援に活用する方法です。例えば、体を使った遊びを通して「協調運動」を育むことや、仲間と一緒に行う遊びを通して他者との関わりを学ぶ「社会性」を育てる取り組みが挙げられます。遊びの中で得られる成功体験は、子ども自身の自信を育むだけでなく、保護者が子どもの「できること」を実感し、自信を持つきっかけにもなります。
私はこの分野で、子どもの発達を促す効果的な「遊びプログラム」の考案や、保護者支援を取り入れた研究に取り組んでいます。
支援方法を考え、実践する

①遊びプログラムの考案
遊びは、子どもの運動能力や理解力、コミュニケーション能力など、発達に必要なスキルを育む重要な手段です。特に発達障害のある子どもたちにとって、遊びは成長を促進する原動力となります。私は、子どもの発達段階や特性に合わせた遊びを作業療法的視点および発達的視点で研究し、それぞれに適したプログラムを考案しています。これらの遊びは、発達に必要なスキルを身につけることができるよう工夫し、楽しさと挑戦を通じて子どもたちの自信や意欲を引き出すことを目指しています。
② 保護者支援
発達障害のある子どもを育てる保護者は、日々の育児において悩みや不安を抱えることが少なくありません。そのため、保護者が安心して子どもと向き合えるよう、私は保護者支援の内容を研究しています。その中で、子どもの行動の意味や背景を分かりやすく説明するセミナーを実施したり、家庭で簡単に取り入れられるサポート内容を提案するプログラムを展開したりしています。これらの活動を通じて、保護者が子どもの可能性に気づき、自信を持って育児に取り組むことを目指しています。