農学部 食料生命科学科

准教授

池永 誠

土壌・植物圏生態系における微生物ネットワークの解明と応用

微生物の能力を活かす次世代型農業に向けて

微生物ネットワークと集団として植物生育に及ぼす影響(イメージ)

 土壌には1gあたり1千万から1億もの微生物が棲息しており、堆肥などの有機物を分解して植物が吸収しやすい形にするなど、田畑における物質循環の重要な担い手となっています。微生物は土壌だけでなく、田畑で栽培されている植物の中にも棲息しており、それらはエンドファイトと言います。エンドファイトはもともと土壌微生物ですが、植物は微生物を土壌中からリクルートしているため、土壌微生物とエンドファイトで群集構造は異なり、植物の生育に有用な微生物の割合が多くなっています。このように植物の生育に不可欠な微生物ですが、実は微生物は個人プレイヤーとして棲息しているのではなく、各微生物がネットワークを形成し、集団としてのチームプレーで機能を発揮し、植物の生育を支えています。従いまして、土壌微生物やエンドファイトの能力を解明し、機能を最大限に発揮させるためには、微生物の機能を単独で解析するのではなく、微生物集団を一つとして捉え、網羅的な解析を進める必要があります。DNAを標的とする解析をメタゲノム解析、RNAを標的とする解析をメタトランスクリプトーム解析、代謝産物を標的とする解析をメタボローム解析と言います。私たちの研究室では、これらの網羅的解析技術を駆使して微生物ネットワークを解明することにより、微生物が持つ能力を活かした次世代型農業に向けて研究を進めています。

エンドファイトを網羅的に解析する新手法の開発

エンドファイトDNAの選択的PCR増幅

 網羅的なエンドファイトの群集構造解析においては、植物由来のDNAが過剰にPCR*1で過剰に増幅され、群集構造が過小評価される問題が長い間存在していました。このため、詳細なエンドファイトの群集構造が明らかにできず、その調査は片手落ちでありつつも、バイアスがかかる培養法*2に依存してきました。私たちの研究室では、天然には存在しない人工核酸を活用して、植物に由来DNAのPCR増幅を抑制し、エンドファイトの群集構造解析をするための特定遺伝子を選択的に増幅する技術を開発しました。この結果、エンドファイトの群集構造が詳細に解明できるようになり、微生物が持つ能力を活かした次世代型農業に向けた研究がまた一歩前進しました。

用語解説

*1:標的遺伝子を数時間で10万倍から100万倍に増幅する方法。熱変性、プライマーのアニーリング、伸長反応の3ステップを30回程度繰り返す。
*2:寒天培地などの固形培地に土壌などの段階希釈液を塗抹・培養後、培地上に出現する微生物のコロニーを釣菌して、種類や機能などを調べる方法。培養条件に適した微生物だけがコロニーを形成するため、土壌微生物のコロニー形成率は1%以下と解析できるのはごく一部にすぎない。

Profile

農学部 食料生命科学科

准教授

池永 誠

名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程後期課程修了。博士(農学)。学位取得後、渡米し、フロリダ国際大学で博士研究員として4年間をマイアミで過ごす。帰国し、立命館大学生命学部助教を経て、2011年に本学農学部助教に就任。2015年から現職。2015年日本土壌肥料学会奨励賞、2017年に日本微生物生態学会奨励賞。その他、最優秀ポスター賞など。

学生(受験生)へのメッセージ

 将来、大学の先生や研究者になるなんて考えもしなかった。そんな言い訳は必要ありません。自然系の科学技術が発展しなければ、食料・環境などの問題は一向に解決しません。とりわけ、科学技術によって成り立っている我が国には、私たちに続く次世代の研究者、即ち皆さんの力が不可欠です。大学の先生や研究者になるかどうかは皆さんの強い意志次第です。楽をせず一つ一つ物事を大切に積み重ね、頑張っていきましょう。

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